子育て奮闘中の親御さん必見。「怒り」の感情の捉え方と対処法とは?

#Life Style

感情に支配されない子育て

子供に対する声かけや対処法を学ぶ一方で、見逃しがちなのが親自身の気持ち。

「どうして、こんなにイライラしてしまうのだろう。」

「あの時、私はなぜあんなに怒ってしまったのだろう。」

「もう、気持ちに余裕が無くて涙が出てくる。」

こんな風に親自身が自分を責めてしまうこともしばしば。

 

しかし、親にも感情があって、その気持ちにフタをし続け我慢してしまうと、

一番助けてもらいたい自分自身の心の声を大事にできなくなってしまいます。

子育てにおいて、悩みの目線は子供達の言動にいきがちですが、親自身の感情に焦点をあててみると

現状の捉え方を変える大事な視点となります。

今回は、「怒り」の感情についてアドラー心理学における捉え方やアンガーマネジメントの対処法から

効果的な学びをまとめてみました。

 

 

 

怒りの感情とそのメカニズムとは?

心理学においてフロイト、ユングに並ぶ三代巨匠のアドラー。

アドラー心理学では、怒りは二次感情で、他の一次感情が元で表面化するものと定義されています。

 

一次感情:不安・悲しさ・辛さ・落胆・悔しさ・苦しさ

二次感情:怒り

 

では、なぜ人は怒りの状態に陥るのでしょうか。

 

アドラーの提唱するのは「個人心理学」と言われていて、

人は自分の達成したい目的があって生きており、それと状況がそぐわない時、

それを受け入れられず、一次感情とともに怒りの感情が湧いてくるというのが「怒りのメカニズム」です。

 

 

例えば、子育てのシーンに置き換えると、

朝なかなか起きず、準備もぐずって駄々をこねる子供に対し、学校に行く時間が遅れそうと親は焦って

イライラしてしまいますよね。

そこには、遅刻せずに子供に学校に行って欲しいという親の目的があり、それが達成できないからイライラする訳です。

人は、個人の「こうしたい」「こうするべき」という価値観や信念を達成したいという目的を持っており、

それが達成できないフラストレーション(不満)から怒りの感情が生まれます。

では、どんな時に怒りの感情が出てくるのでしょうか。

アドラーでは、下記の4つのパターンを定義しています。

 

 

怒りの目的、4つのパターン

①支配:自分の思う様にしたい。

②主導権争いで優位に立ちたい:主導権を自分が持ちたい

③権利擁護:自分の身や立場・権利が侵されそうになったとき

④正義感の発揮:自分の信念や正しいと思っていることが破られたりしたとき

 

子育てにおける親の感情のイライラは、親自身がこうであるべき、こうするべきと思っている

価値観が強く、子供の言動を許容できない時に起こるものなのかもしれません。

どんな時にその感情に陥るのかを思い出してみたり、怒りのパターンがないか振り返ってみると

気づきがある様に思います。

 

 

 

 

 

 

アンガーマネジメントにならう感情のコントロール法

アンガーマネジメントとは?

アンガーマネジメントとは、「怒り」の感情をコントロールすることで、対人関係を善処するための

心理トレーニングです。

 

怒りの感情自体を否定しているのではなく、その感情の捉え方を変えてみたり、言い方を変えること、

また生理的アプローチを取り入れることで感情に任せた対応をせずに済むことができます。

 

 

 

怒りの感情のコントロール方法

①「〇〇すべき」の価値観を手放してみる

子育てにおいて、「〇〇すべき」という親の価値観が強すぎると、子供達が違う言動をしたときや言うことを

聞かない時にイライラしてしまいがち。

一度、自分の価値観は自分目線や自分にとっての判断基準になっていないかを考えてみましょう。

これは、アンガーマネジメントの対処法としてだけでなく、アドラーの

 

 

②怒りを感じた時、6秒カウントをする

この6秒ルールよく聞くこともある対処法ですよね。

じつは、これは脳科学の視点からも効果があると言われています。

感情を司る大脳辺縁系が、怒りを感じたときにそれを抑制したり理性的な判断を行う前頭葉が働くまでに

3〜5秒時間がかかるということも脳科学の観点から解明されています。

 

 

③その場から離れる

怒りを鎮めるのに、6秒をその場で待つということも意外と難しいもの。

そんな時は、その場から一旦離れトイレや別の部屋にいくなど物理的に動いてみましょう。

また、深呼吸をしたり、外の風にあたるなど怒りを鎮めるのに効果的な行動のルーティン化を図るのも

おすすめです。

 

 

 

 

さいごに

子供がまだ幼児期だったりすると、言われていることをまだ理解できなかったり、すぐ忘れたりすることもしばしば。

また、親の興味を引きたくて駄々をこねるということもあります。

しつけの中で、危ないことや他人に迷惑がかかること、現状の問題が何かを子供に伝える時には、

具体的に話すこと、相手の立場や気持ちに立つこと、

どうやったら解決できるかを子供に考えてもらう(アドラーの「課題の分離」)なども大事な視点です。

 

また、子供の気持ちや言い分を聞いてあげることで、

受容されているという安心感が子供の自尊心を育てるとも言われています。

 

 

アドラー心理学では、人は上下関係はなく親子でも対等の関係(横の関係)であるべきと提言しています。

親自身も感情に任せず、上手く自分の感情コントロールや価値観の再定義をしてみると、

自分自身にとっても子供にとっても信頼関係が築け、悩まずに子育てができるようになれるのかもしれません。

 

 

 

参考書籍:かんき出版「感情的にならない子育て

    秀和システム「イライラしないママになれる本  

参考記事:日経Gooday 「“怒る脳”を鎮める「脳内物質」でイライラ解消!」

 

 

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